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高い描写力と精緻な空気感で高い人気を誇る 現代日本洋画界を代表する藤井勉先生が、 昨9月12日に急逝されました。 心からのご冥福をお祈り申し上げます。
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奇しくも絶筆となったパステル画「少女」を含む、藤井勉遺作展です。
69年の集大成、どうぞご高覧下さいませ。
展覧会のDMとしても使用致しました作品「少女」
油彩画で広く知られる藤井先生としては新鮮なパステル画で描かれています。
モデルとして描かれた少女は、先生のご息女。
もの憂げな表情は何を見つめているのでしょうか。
窓辺から覗くかの様な子猫。
額を隔てて広がる異世界からこちらの様子をうかがっているように見えます。
野バラ。
花瓶に生けられた花ではなく、自生する花をモデルに選んだ藤井先生の、生命に対する賛歌を感じ取れる作品です。
水彩画は淡い色彩で、より強調的に生命の儚さを感じさせます。
壮大であり幽玄な佇まい。
写実絵画で知られる藤井先生ですが、この作品にはなにか現実を超えた霊妙な雰囲気を感じます。
先生の自然に対する畏敬の念が、この作品に神性を与えているのでしょうか。
作者没後なお、活き活きと光彩を放つ作品の数々。
どうぞ、この機会にご覧下さいませ。